大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和26(れ)660 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人松久利市の上告趣意第一点について。

当裁判所の判例に従えば、裁判が迅速を欠き憲法三七条一項に違反しても、判決

に影響を及ぼさないこと明らかであるから、原判決破棄の理由とはならない(昭和

二三年(れ)一〇七一号同年一二月二二日大法廷判決)。それ故に仮りに本件の裁

判が迅速とは言えないとしても、論旨の理由なきことは右の判例に徴して明らかで

ある。

同第二点について。

当裁判所の判例によれば、被告人に実刑を科するがためにその家族が生活困難に

陥るとしても、その判決が憲法二五条に違反することにはならないし(昭和二二年

(れ)一〇五号同二三年四月七日大法廷判決)、また最低限度の生活すら営み得な

いために罪を犯したとしても、憲法二五条一項により正当化され、実刑を免れ得る

ものでもない(昭和二四年(れ)一三三九号同年一〇月二五日第三小法廷判決)。

これ等の判例の趣旨に徴すれば、被告人及びその家族について仮りに所論のような

事情があつたとしても、論旨の採用できないことは明らかである。

同第三点について。

論旨は要するに執行猶予の言渡を求める主張に外ならないから適法な上告理由と

ならない。

なお記録を精査してみても刑訴四一一条を適用すべき事由は認められない。

以上の理由により刑訴施行法三条の二、刑訴法四〇八条に従い、裁判官全員一致

の意見を以て、主文のとおり判決する。

昭和二六年七月二四日

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最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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